会社都合退職って何?
普通に辞めるのと違うの?
そもそも会社都合退職を知らない方も多いかと思います
基本的に会社都合退職のほうが労働者にメリットが多いです
退職する前に違いを知っておきましょう
まずは簡単に失業保険を知ろう
失業保険とは
会社都合退職を理解するには
失業保険について少しだけ知っておきましょう
「失業保険くらい知ってるよ!」
という方はここは読み飛ばしてください
超簡単に言えば失業保険とは
「仕事がなくなった時に一定期間だけお金がもらえる」制度です
失業保険についてはこちらでも解説しています
受給条件
受給条件としては下記の通りです
- 雇用保険に一定期間加入していた
- 現在失業している状態であること
- すぐに働く意思があること
働いていた人が仕事を無くしたら受給できるのが失業保険なわけです
自己都合退職と会社都合退職
失業保険を受給するに至る経緯が2種類あり
「自己都合退職」「会社都合退職」があります
「自己都合退職」はキャリアアップや引っ越しなどの理由で
「自分の意志で退職する」一般的な退職です
「会社都合退職」は倒産やハラスメントなどで
「本人の意思に関係なく退職せざるを得なかった退職」です
自己都合退職となるか会社都合退職となるかの判断は
公共職業安定所(ハローワーク)で行います
自分が会社都合退職の対象になるかどうか不明な場合は
自分が住んでいる地域を管轄しているハローワークに相談しましょう
現在では「新型コロナウイルス」による経営不振の影響で
以前より会社都合退職者が増えています
まとめ
失業保険とは
仕事を無くした人=収入を無くした人を支える制度です
退職には2種類あり
「自己都合退職」と「会社都合退職」です
とりあえずこれだけは押さえておきましょう
自己都合退職と会社都合退職の違い
「自己都合退職」とはキャリアアップのためや引っ越しなど
働く人の事情で転職をする普通の退職のことです
一般的に転職と言えば自己都合退職のことを指しています
今回説明する「会社都合退職」とは
会社の倒産やリストラ(解雇)、ハラスメントなどによる退職など
会社の都合や会社の問題に巻き込まれた場合などに会社都合退職となります
自己都合退職と会社都合退職の主な違いは下記のとおりです
自己都合退職 | 会社都合退職 | |
---|---|---|
退職理由 | 一般的な退職 | 会社の倒産やパワハラなどが原因で退職した場合 |
雇用保険の必要期間 | 過去2年で12ヶ月以上 | 過去1年で6ヶ月以上 |
給付制限 (2か月または3か月) | あり | なし |
給付日数 | 90~150日 | 90~330日 |
経歴の記入方法 | 一身上の都合により | 会社都合により |
退職理由の違い
自己都合退職というのは一般的な退職であり
退職する個人によって理由は様々ですが
どれも会社に非の無いもので個人的な理由での退職です
一方で会社都合退職というのは本人の意思に関係なく職を失う状況です
これらに該当する場合は会社都合退職の対象になることがあります
ハローワークでは労働者の主観的な情報だけでなく
タイムカードや給料明細などの客観的に情報も総合的に判断して
会社都合退職なのかを決定します
なんらかのハラスメントを受けている場合は
その証拠も用意しておく必要があります
雇用保険への必要加入期間が短い
会社都合退職の場合は失業保険を受け取れるための
雇用保険に加入していなければならない期間も短くなっています
自己都合退職の場合は
過去2年間の間に1年以上加入している必要があります
会社都合退職の場合は
過去1年間の間に6ヶ月以上加入していることが条件になります
基本的に正社員であれば雇用保険には加入していますので
難しければ単純に正社員で働いていた期間と置き換えても大丈夫です
給付制限がない
会社都合退職の場合は本人の意思とは関係なく
生活を支える収入がなくなることが考えられます
そのため失業給付金(失業保険)をすぐに受給できます
会社都合退職の場合はハローワークに申し込みをすると
7日間の待機期間後すぐに給付金の振り込み日が決定します
自己都合退職の場合は7日の待機期間後さらに
2ヶ月間の給付制限が過ぎてから振り込み日が決定します
給付日数が多い
会社都合退職の場合は給付日数が多いため
合計で受け取れる金額も多くなります
給付期間中に就職できた場合は再就職手当というものが支給されます
再就職手当は残っている給付日数に応じて
金額が多くなりますのでその点でも受け取れる金額は多くなります
急に収入がなくなると困りますよね
だからすぐに失業保険による給付金が受け取れて
受給期間も長いということです
経歴への影響
会社都合退職の場合は履歴書に経歴を記入する際に
「会社都合により退職」と記入します
転職時に会社都合退職の理由を聞かれることが多いですが
聞かれた場合は正直に答えましょう
転職先は何かトラブルがあったのかを知りたいので
本人に過失がなければ転職で特に不利にはなりません
ただし履歴書には必ず会社都合退職と記入する必要があります
特に転職時に不利はないと言っても
経歴にはいつまでも残ってしまうことは知っておきましょう
良くある質問
会社都合退職にしてほしい時は?
自己都合退職となるか会社都合退職となるかの判断は
公共職業安定所(ハローワーク)で行います
自分が会社都合退職の対象になるかどうか不明な場合は
自分の住んでいる地域を管轄しているハローワークに相談しましょう
その際にタイムカードやハラスメントなどの
証拠がないと対応できない場合があります
あらかじめ用意しておきましょう
もし会社都合退職の対象とだと知らずに退職してしまっても
後から会社都合退職に変更できる場合があります
問題となっている契約内容やタイムカードなどの
証拠を持ってハローワークに相談しましょう
会社から自己都合退職にするように勧められたんだけど
このように言ってくる会社がありますが嘘です
これは会社都合退職者を出した企業は
厚生労働省から助成金をもらうための条件が満たせないためです
個人にはメリットが多い会社都合退職ですが
会社側から見ると非常にデメリットが大きいです
そのため労働者をだまして自己都合による
退職届を出すように誘導してくる会社もあります
離職票を受け取ったら会社都合退職のはずが
勝手に自己都合にされていたという話もあります
会社都合退職のことを知らなければ絶対に対処できないので注意しましょう
すぐに就職しない場合は失業保険をもらえる?
すぐに就職する意思がないと失業保険はもらえません
会社都合退職がすぐに基本手当を受給できるといっても
下記のような状況だと判断されたら受給できません
ちなみにケガや病気に関しては失業保険ではなく
傷病手当金を受け取ることになります